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安倍元総理の国葬儀に参列させていただくとともに、葬儀委員を拝命し運営にあたらせていただきました。

2022.09.27

安倍元総理の国葬儀が営まれ、参列させていただくとともに、葬儀委員を拝命し、運営にあたらせていただきました。人の命はいつか終わりを告げ、人と人との別れが来ることは避けられないものと頭では理解しつつも、突然の、あまりにも突然の、安倍元総理との別れに、この2か月半複雑な思いが続いていました。しかし、そのような中でしたが、今回の国葬儀は、関係者の皆様、何より昭恵夫人はじめご遺族のおかげで、厳かで心のこもった国葬儀になり、様々な意見があることは承知しておりますが、私個人としては、国葬儀が行われたことは良かったと感じています。

「総理、ありがとうございました」。祭壇前にて心の中でつぶやいた最初の言葉。改めて、「政治家鈴木英敬の生みの親」でもありますので、心からの感謝の気持ちを込めて、哀悼の誠を捧げました。ご遺族、とりわけ昭恵夫人のお気持ちを思うと、察するに余りある、大変お辛い状況であると思われますが、国葬の実施や準備にあたった関係者、献花に向かう際に昭恵夫人にお声がけする方々など、すべての方お一人お一人に丁寧に丁寧に、悲しみを抑えながら対応されていた姿に本当に頭の下がる思いでありました。

祭壇前で心の中でつぶやいた次の言葉は、「総理、今日も晴れましたね」。安倍元総理はスーパー晴れ男。平成28年のG7伊勢志摩サミット時も、朝からすぐれなかった天気は、首脳による伊勢神宮訪問時に素晴らしい晴天に。あの時、地元知事として、天気に関して大変なプレッシャーを感じていましたので(笑)、当時の菅官房長官も天気のことをご心配されておられました。しかし、見事に晴れ、安倍元総理はじめ首脳による笑顔が映える機会となりました。当日配られた栞には、3枚の写真しかありませんでしたが、その1枚に伊勢志摩サミット時の内宮神楽殿前での首脳が歩きながら談笑されるシーンが取り上げられておりました。本当に嬉しかったですし、生前のお姿を映した動画にもたくさん出てきて、大変熱い思いになりました。これらを思いながら、この日の朝一番の秋晴れを報告しました。参列される方や一般献花に並ばれていた皆様への安倍元総理の優しさも現れているのではないかと感じた次第です。

今回葬儀委員を拝命しました。天皇皇后両陛下のお使いの拝礼に続き、上皇、上皇后のお使いの方が拝礼をなされ、その後、皇嗣殿下はじめ皇族各殿下の献花がございましたが、官房副長官とともに、上皇后のお使いの方の拝礼時等のご案内をさせていただきました。私も献花を終えた後は、岸田総理の近くの、献花をされる方々のご表情がよく見える場所に座らせていただいておりましたが、皆様が心を込めて献花をされる姿を近くで見させていただいて、熱い思いがこみ上げてきました。国葬儀の最後には、岸田総理、昭恵夫人に続いて列に並び、ご遺骨のお見送りをさせていただきました。大きな事故やテロなどなく国葬儀を終えることができたこと、関係者の皆様のご尽力に心から敬意と感謝申し上げます。

菅前総理が友人代表として弔辞を述べられました。素晴らしい弔辞でとても感動し、私も涙が出て、会場からも弔辞終了後、弔辞であるとわかりながらも自然と拍手が起こりました。特に、菅前総理ご自身も声を詰まらせたのは、「総理、あなたは、常に笑顔を絶やさなかった。いつも、まわりの人たちに心を配り、優しさを降り注いだ。総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8か月。私は本当に幸せでした。」という箇所でした。政策の話の場面ではなく、「笑顔」というところで声を詰まらせたことは、菅前総理が心の底から安倍元総理のお人柄を慕われ、ともに過ごされてきたんだなあと思い、胸が熱くなりました。菅前総理が、ご自身の今の気持ちとして引用された、山県有朋が伊藤博文が亡くなった時に詠んだ「かたりあひて 尽しヽ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」という歌は、本当にその場に居合わせた我々も同じ気持ちと感じられる歌だったと思います。ちなみに、この歌は、安倍元総理が、JR東海の葛西敬之名誉会長が亡くなられた際の対談で引用されていたそうです。

配布された栞には、「夢」という字、安倍元総理がよくされる揮毫がありました。これは私も大好きで写真にあるように、知事時代の執務室や現在事務所に飾っています。しかも、大変僭越ながら、私も揮毫で、安倍元総理のように達筆ではありませんが、「夢」をよく書かせていただいており、この栞を見た際、鳥肌が立つような思いでした。安倍元総理のご遺志を継いで、「夢の続き」を仲間の皆さんと一緒に実現できるよう精進を重ねていかねばと改めて意を強くしています。

この日、葬儀委員としてモーニングを着用している時以外につけていたネクタイは、写真にある青のレジメンタルのネクタイ。これは、安倍元総理が、生前約60年ぶりにピアノ演奏された「花は咲く」を弾かれている時につけられていたものと同じネクタイです。私もG7伊勢志摩サミットの時の2日目に着用していたものです。「花は咲く」の歌詞にあるように、若者やこれから生まれてくる次世代、そして日本の未来を思い続けた安倍元総理。その蒔いていただいた種を花咲かせることができるよう、我々残されたものが、この国葬儀を1つの「節目」として、誠心誠意努力をしていかねばならない、そんな気持ちを強くさせていただく、何か、安倍元総理から、背中を押していただくような一日だったと改めて思います。安倍晋三先生、ありがとうございました。安らかにお眠りください。我が国の行く末を天国で見守っていてください。合掌。

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